こんにちは。京都本店で店頭販売をしている川田と申します。
世間ではクリスマスの商品が並んだり、年賀状の用意をしたり、年末を感じる季節になってきました。
私にとって年末というと「大掃除」のイメージがあり、どこから手を付けようか悩む季節でもあります。
私は実家が近いので、月に一度くらいは帰っています。実家には金仏壇があるのですが、自分で掃除をしたことがありません(仏壇店に勤めているのに…)。
先日、ついに思い立って掃除をすることにしました。
お仏壇の掃除をするまえに
お仏壇の前に座り、「ただいま」の気持ちと「今日はちょっと騒がしくしますよ」ということを伝えます。
そして掃除にとりかかる前に、仏具の配置をカメラで撮影しました。お仏壇の中はけっこう物が多く、あとで分からなくなったら困るので。
ホコリも舞うだろうなと思ったので、窓も全開にしておきます。
この日はちょうど小春日和で、絶好のお掃除日和でした。
お仏壇の中の仏具を取り出します
取り出した仏具を置いておく用に、古新聞など大きめの紙をお仏壇の脇に広げます。
真鍮(しんちゅう)や漆塗りの部分は指紋が付きやすいので白手袋をはめ、お仏壇の手前から順に、中に入っている仏具を出していきます。
高欄(こうらん)と呼ばれる、一番上の段にある柵のような部分も、乗っているだけのタイプだったので取り出します。
お仏壇の中の天井からぶら下がっている輪灯(りんとう)も、いくつかの部品がつながっているので、無理のない範囲で外していきます。
最後にご本尊の阿弥陀さまを取り出したのですが、大きさがちょうどすぎて、出すのに苦労しました。
高欄や輪灯、仏像など細工の細かいものが多く飾られているので、無理のない範囲でお掃除されたらいいと思います。
お仏壇の中を掃除していきます
仏具を取り出してみると、花立の跡がくっきり見えたり、ローソクの蝋がついていたり、なかなか汚れていることがわかりました。
仏具を出し終わったら、お仏壇本体の掃除です。ホコリがしっかり積もっているので、まず毛バタキで上のほうからはたいていきます。
はたき終わったら拭き掃除です。この日のために購入した「ぶつだんつやだし」を、仏壇掃除用の「ダスター」に少しずつつけて、様子を見ながら拭いていきます。
金箔の部分は拭いてしまうと金箔が剥げてしまうので、黒い漆塗りの部分だけ拭きます。
最初に拭いた感触はザラザラで、だいぶ汚れが蓄積されている様子でしたが、根気よく拭いているとツルツルしてきました。当初(覚えていませんが)の輝きが戻ってきたような気がします。
「膳引き」(ぜんびき)とよばれる引き出せる棚の部分も点々とローソクの蝋が垂れた跡がありました。それもしばらく拭くいているとツルツルになりました。
ダスターにつや出し剤を少しずつ付けて拭く、という作業をもくもくと続けていると、なにか修行をしているような気持ちになってきます。
だいぶ汚れていたということもありますが、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。
仏具の掃除
漆塗りの仏具も、金箔に気を付けながら、ダスターにつや出し剤を付け拭いていきます。
真鍮磨き(しんちゅうみがき)も用意していたのですが、金物系の仏具はどれも加工がされているようだったので、ダスターで拭くだけにしました。
仏具をお仏壇の中に戻していきます
ご本尊さまから順に、お仏壇の中へ仏具を戻していきます。
輪灯は細工が細かいのに重さもあるので、落とさないよう慎重に戻します。
過去帳がどこに置いてあったか分からなくなったときは、お掃除前の写真をチェックし、「やっぱり撮っておいてよかった!」と思いました。
お掃除してみて感じたこと
掃除をする前は30分くらいで終わるかな?と思っていたのですが、約2時間、意外と時間がかかりました。
長年積もった汚れを落とすのはなかなか体力がいります。今回はお仏壇本体の掃除で気力が尽きてしまいました。
定期的に掃除をすることが大切だなと思いました。
とはいえ、私の母が「壊しそうで触るのが怖い」と言っていた気持ちも良くわかります。
できる範囲で構いません。この年末を期に、お掃除してみてはいかがでしょう?
清々しい気持ちになって、よい年を迎えられる気がしてきますよ。