お仏壇のサイズ表記と選ぶ際の注意点

# お仏壇のこと

お仏壇のサイズ表記と選ぶ際の注意点

お仏壇を選ぶ際、「代」「尺」「号」などのサイズ表記を目にすることがあると思います。

このようにさまざまな単位があるにもかかわらず、これらの表記は明確な寸法を表しているものではありません。

同じ「18号」というお仏壇があったとしても、まったく同じ大きさとは限らないのです。

お仏壇のサイズ表記と、お仏壇のサイズを選ぶ際の注意点を説明してまいります。

お仏壇選びのご参考にしていただければ幸いです。

お仏壇ならではのサイズ表記

お仏壇ならではのサイズ表記について説明してまいります。

掛け軸を基準にしたお仏壇のサイズ表記「代」

「代」は、主に金仏壇でみられる表記です。

実はこの「代」という表記、そもそもお仏壇のサイズではなく、掛軸の大きさを表しています。

「50代」という表記であれば「50代の掛け軸用につくられたお仏壇」ということになります。

といっても、なかなかイメージできないものですよね。

具体的にどの程度の大きさのものなのか、浄土真宗の東本願寺(真宗大谷派)と西本願寺(浄土真宗本願寺派)の本山掛軸のサイズを参考にみていきましょう。

※職人さんやメーカーによってサイズが多少異なります。

東本願寺(真宗大谷派)のお掛軸【縦×横(軸先の金具を含む)】

  • 20代 20×8.5cm
  • 30代 27.2×12cm
  • 50代 31.5×14.3cm
  • 70代 40×18cm
  • 100代 50.2×22cm
  • 150代 67.4×28cm
  • 200代 80.5×33.5ccm
本山掛軸 東本願寺

西本願寺(浄土真宗本願寺派)のお掛軸【縦×横(軸先の金具を含まない)】

  • 20代 19.7×9.1cm
  • 30代 27.3×9.1cm
  • 50代   34.8×12.1cm
  • 70代 42.4×15.2cm
  • 100代 51.5×18.2cm
  • 150代 66.7×24.2cm
  • 200代 79×29.4cm 
本山掛軸 西本願寺

「代」というのは先述のように、掛軸のサイズになります。
例えば、「上置き(台などの上に置くタイプ)」と「台付き(床から置くタイプ)」など、
まったく違うタイプのお仏壇であっても、
50代の掛軸用につくられたものなら、どちらのお仏壇も「50代」と表記される場合があるのです。

若林佛具製作所にある金仏壇で、「50代」と表記される仏壇のサイズ(外寸)がどのくらい違うのか比較してみましょう。

・50代【上置き(台などの上に置くタイプ】
 130×63×48㎝ (高さ×横幅×奥行)

・50代【台付き(床から置くタイプ)】
 150×63×53㎝ (高さ×横幅×奥行)

金仏壇 上置き・台付き
左:50代「上置き」の金仏壇 / 右:50代「台付き」の金仏壇

このように、同じ「50代」とサイズ表記された仏壇でも、仏壇自体の大きさはまったく違う場合があるのです。

伝統的なお仏壇に使われる「尺」

伝統的で、大きなお仏壇に使われる単位です。

住宅にまつわる寸法でもよく「尺」を用いることがあるので、聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1尺は約30㎝(30.3㎝)。一般的には、お仏壇の幅を表します。

ただ、メーカーにより本体胴幅の外寸か板内寸か、下台幅か、異なる場合もありますので、注意が必要です。

お仏壇 幅の説明

お仏壇で最も一般的な「号」は、高さのこと

「号」は、金仏壇や唐木仏壇などの伝統的なお仏壇から、モダンなお仏壇まで、よく使われている単位です。1号とは約3㎝を表します。

唐木仏壇やモダンなお仏壇の「○号」という表記は、一般的にお仏壇の高さを表します。

お仏壇によっては「〇〇-△△」というように、高さと幅も表記されていることがあります。

例えば、「高さ123cm×幅48cm×奥行き38cm」のお仏壇があったとします。

これを「号」で置き換えると「高さ40号×幅15号×奥行き12号」となります。
そして、仏壇のサイズ表記は、「40号」もしくは「40-15」または「15-40」となります。

高さと幅で号数を表記する場合は同じ大きさのお仏壇でも、「40-15」と表記するメーカーもあれば、「15-40」と表記するメーカーもあります。
「高さ×幅」か「幅×高さ」かは、メーカーによって表記が異なりますので必ず確認をしましょう。

京仏壇・金仏壇の「号」は、幅のこと

ややこしいお話で恐縮なのですが、京仏壇・金仏壇で「号」と表記する場合は、板内寸(横幅)を表しています。

「18号」の京仏壇・金仏壇であれば、「板内寸が54cm」ということになります。また、金仏壇で「〇〇-△△」という号数表記されている場合は、「高さ×幅」ではなく「外幅(外寸)×内幅(板内寸)」を表しています。

もし「20-18」と表記されていたら、「外寸が60cm、板内寸が54cm」ということになります。

唐木仏壇やモダンなお仏壇とは異なりますので注意が必要です。

お仏壇のサイズの選び方と注意点

扉を開けた状態でも置けるスペースを

お仏壇の扉は両開き(観音開き)で、左右の扉がそれぞれ「二つ折り」になる形状が一般的です。

お仏壇の扉をそれぞれ二つ折りにして開き、毎日のお参りを行います。
そのためサイズを選ぶ際は、扉を開いた状態も考慮しお選びいただく必要があります。

目安として、扉全体の横幅×1/4×2、つまり「横幅×約1.5」とお考えください。

扉幅の説明

これがお仏壇の扉を90度に開いた状態の寸法となります。必ずしも90度開かないといけない訳ではありません。
お仏壇の種類にもよりますので、ご心配な方は、店頭で販売員にご相談ください。

※「二つ折り」以外のお仏壇の扉(一例) 

お仏壇の扉 巻き戸タイプ
お仏壇の扉 巻き戸タイプ
扉が巻き戸になっているタイプ
お仏壇の扉 収納タイプ
お仏壇の扉 収納タイプ
扉がお仏壇の側面に収まるタイプ

お参りの際の、御本尊と自分の位置関係

毎日のお参りは正座で行いますか?

それともイスに腰をかけて行いますか?

お選びになる際、どのようなスタイルでお参りをされるか、という点もイメージされるとよいでしょう。

お仏壇の中心は、ご本尊です。

お参りの際にご本尊の位置が低くなり、見下げてしまうとよくありません。

お仏壇のサイズだけではなく、ご本尊を置かれる高さ、お参りの際のスタイルなども考慮し、お仏壇を選びましょう。

こころ良く、お仏壇をお選びいただくために

お仏壇は、「代」「尺」「号」というサイズ表記が一般的です。
同じサイズ表記でもメーカーによって多少大きさが異なる場合があります。
あくまでこの表記を目安としてお考えいただければ良いと思います。

ご来店の際、お仏壇を置く場所をお知らせいただきますと、お仏壇選びもスムーズになると思います。

若林佛具製作所では「◯◯号」と表記するのが主流になっています。
また、お選びいただきやすいよう、各商品それぞれ外寸も表記しています。

伝統的な様式のものから小型のもの、現代的なデザインのお仏壇まで、様々なサイズを取り揃えております。
知識豊富なスタッフがそれぞれのご家庭に合うお仏壇をご提案させていただきますので、

お仏壇をお買い求めの際は、ぜひご来店の上、お気軽にご相談ください。